近くの草原や丘は若草が生え、すっかり緑色です。それを羊や馬がムシャムシャとひたすらに食べています。
私は元気です。先月上旬まで実践していたラマダン断食も、さほど難なく終えました。(早朝と夜にしっかり食べていたので体重は変わってません) それを話したキルギスの人たちは敬意を払ってくださり、距離が少し近づけたように感じています。
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さて、キルギスは牧畜をする遊牧民と、農耕をする定住民の両方が長らく住んできた地域です。現在は遊牧民の定住化が進み、牧畜そのものが半遊牧半定住のスタイルとなっています。
遊牧民が古来から主食として食べていたのは、小麦や米ではなく乳から作られる加工品でした。現代においては主食こそパンなどの穀物類に変わりましたが、乳加工品は今でもたくさん作られ、たくさん食されています。
町の市場の手作り乳加工品の売店
アイラン(生乳や脱脂乳に、前回作った余り(乳酸菌のたね)を加えて作ったヨーグルト。砂糖やジャムをかけて食べる人が多い)
スズモ(アイランを脱水した固くて濃厚なヨーグルト。これを水で薄めて塩味を足して飲んだりもする)
クルト(スズモに塩を混ぜて乾燥させた一口サイズの固い食品。梅干しのように、しょっぱくて酸っぱく、長期保存できる)
加えて、カイマック(生クリーム)、サルマイ(バター)と呼ばれるものも昔から食されています。
日本で買えるような西洋のチーズは元来はキルギスの遊牧民の伝統食にはありませんが、現在は乳製品の各メーカーが製造販売しています。
キルギスの乳加工品、どれも美味しいです。^ー^
長い歴史の中で遊牧民と定住民の互いの交流、そして周辺地域との交流、イスラム文化、ロシア文化が交ざり合い、現在のキルギス料理は多種多様です。伝統食がどう残り、キルギス料理がどう変化していっているのか、引き続き関心を持って食べていきたいと思います。また別の機会に紹介します。
余談ですが、これらの乳加工品と豆腐の性質や作る工程はよく似ています。
日本はこれから次第に蒸し暑くなってくるかと思います。皆さま休息を大切に、良い日々をお過ごしください。
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たべつむぎ
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