2024年09月19日

冬が近づいて/写真展@佐世保

 皆さま、お変わりなくお過ごしですか。こんにちは、たべつむぎです。2ヶ月ぶりの投稿になりました、私は元気です。

 私の住むキルギスのナリン市、ときおり冷たさを感じるようになってきました。朝晩は10℃を下回っています。
・・・・・

 いま、田舎の家々の敷地には干し草が高く積んであります。夏に大草原で自由に草をはんでいた羊や牛たちは、冬の間この干し草を食べて畜舎の中で暮らします。

IMG_80762.jpg

 村の人々も野菜、果物をたくさんピクルスやジャムに瓶詰めして冬に備えています。
 長く厳しい冬、はじまりが近づいています。

・・・・・

〈ご案内〉
海外協力隊の活動紹介が佐世保で行われます。

SN20240905_2-720-d90bd.jpg

「JICA海外協力隊 写真展」
2024年9/21(土)〜9/24日(火)
アルカスSASEBO交流スクエア(観覧無料)

展示の一部として、私を含めた佐世保の5名の現役隊員が近況写真&コメントを寄せています。お近くにお越しの際は覗いてみてください。

(寄稿した写真とコメントを転載します↓↓)

〜協力隊に参加したきっかけ〜
「身近に海外で活躍してきた友人や知人たちがおり、彼らから刺激を受けました。慣れ親しんだ土地や仕事を離れて、文化も風土も違う異国に身を置いたとき、これまでの仕事のスキルがどう通用し、人の役に立てるのか、また自分自身にどんな変化が生まれるのか、それらを試したい気持ちで参加することにしました。」

〜活動内容について〜
「私の任務は、地域の農産物から新たな加工品を開発、また食品業界の人材教育に携わることで、食の分野から地域経済活性化の一助となることです。一年目の現在は村に通って新しい農産物の試験栽培をしたり、日本の食品を参考に住民に農産加工品の話をしたり、大学生に食品加工のレクチャーなどをしています。」

IMG_7342~3.jpg

・・・・・

残暑が長引いていると聞いています。どうかお体を大事にしてお過ごしください。

たべつむぎ
http://tabetsumugi.net
MAIL letter@tabetsumugi.net
posted by たべつむぎ at 16:50| 日記

2024年07月14日

花々/休業から一年

 皆さま、雨の季節の終わりをどのようにお過ごしでしょうか。アジサイの花もしっとりとした姿になっている頃かと思います。

 しばらく投稿をご無沙汰しておりました。私は変わりなく元気に過ごしています。
 こちらキルギスでも季節の花が、かわりがわりに咲いています。これまで、気になった花があればパチリと写真に収めてきました。


 春先に足元のタンポポや、桜に似たアンズの花をみたときは、心がほっとしたものです。

tanpopo1.jpg

anzu.jpg

 私と違って、近所の人々はアンズの花にはあまり興味がなさそうでした(^^)。
 しかし5月に入って町のいたる所にライラックの紫の花が咲いたとき、女性や子供たちがその花を愛でて写真に収めたり、一房二房うれしそうに持ち歩いている姿をたくさん目にしました。


lilac.jpg

 ライラックはキルギスの人々にとって欠かせない大切な花のようです。

 そして、初めてみる花々。道ばたや小高い丘にたくさん咲いています。

IMG_4963-COLLAGE.jpg

IMG_6144-COLLAGE.jpg

IMG_7074-COLLAGE.jpg
ほとんど名前もわかりません。
下の右側2番目がエーデルワイスとのこと。
(←歌でしか知らなかったです)

キルギスは冬が厳しいので、花々は寒さを乗り越えた喜びの表れのように感じます。


・・・・・

 さて、昨年7月より豆腐店は休業に入り、それからちょうど一年が過ぎました。お豆腐を作ってお一人おひとりにお渡ししていた日々を思い出しています。

 先日、郊外の村の公民館で住民の方々(子育てを終えた年代、女性中心)に食べもののお話をする機会がありました。言語だけでの伝達は不十分なので、私の豆腐作りの動画を見せたりしました。その中で、気持ちがつながったと感じる瞬間があったりしました。
 地方の村の女性たちは昔と変わらず、いろんな食べものを手作りしている素晴らしい作り手たちでもあります。もしかしたら私が日本でやってきた日々の仕事への共感があって、つながったのかもしれません。

 豆腐店をやっているときと今の活動とが、地続きであると感じることができて、じんわりとした嬉しさがありました。

 皆さま有り難うございます。

 また書きます。どうか健やかに、よい日々を。

・・・・・

たべつむぎ
http://tabetsumugi.net
MAIL letter@tabetsumugi.net
posted by たべつむぎ at 00:06| 日記

2024年05月20日

キルギスの乳加工品

 皆さまお変わりなくお過ごしですか。
 近くの草原や丘は若草が生え、すっかり緑色です。それを羊や馬がムシャムシャとひたすらに食べています。

 私は元気です。先月上旬まで実践していたラマダン断食も、さほど難なく終えました。(早朝と夜にしっかり食べていたので体重は変わってません) それを話したキルギスの人たちは敬意を払ってくださり、距離が少し近づけたように感じています。
・・・・・

 さて、キルギスは牧畜をする遊牧民と、農耕をする定住民の両方が長らく住んできた地域です。現在は遊牧民の定住化が進み、牧畜そのものが半遊牧半定住のスタイルとなっています。

 遊牧民が古来から主食として食べていたのは、小麦や米ではなく乳から作られる加工品でした。現代においては主食こそパンなどの穀物類に変わりましたが、乳加工品は今でもたくさん作られ、たくさん食されています。


手づくり乳製品202405.jpg
町の市場の手作り乳加工品の売店


アイラン1.jpg
アイラン(生乳や脱脂乳に、前回作った余り(乳酸菌のたね)を加えて作ったヨーグルト。砂糖やジャムをかけて食べる人が多い)


スズモ1.jpg
スズモ(アイランを脱水した固くて濃厚なヨーグルト。これを水で薄めて塩味を足して飲んだりもする)


クルト1.jpg
クルト(スズモに塩を混ぜて乾燥させた一口サイズの固い食品。梅干しのように、しょっぱくて酸っぱく、長期保存できる)


 加えて、カイマック(生クリーム)、サルマイ(バター)と呼ばれるものも昔から食されています。
 日本で買えるような西洋のチーズは元来はキルギスの遊牧民の伝統食にはありませんが、現在は乳製品の各メーカーが製造販売しています。
 キルギスの乳加工品、どれも美味しいです。^ー^


 長い歴史の中で遊牧民と定住民の互いの交流、そして周辺地域との交流、イスラム文化、ロシア文化が交ざり合い、現在のキルギス料理は多種多様です。伝統食がどう残り、キルギス料理がどう変化していっているのか、引き続き関心を持って食べていきたいと思います。また別の機会に紹介します。


 余談ですが、これらの乳加工品と豆腐の性質や作る工程はよく似ています。
豆腐と乳製品.jpg


 日本はこれから次第に蒸し暑くなってくるかと思います。皆さま休息を大切に、良い日々をお過ごしください。
・・・・・
たべつむぎ
http://tabetsumugi.net
MAIL letter@tabetsumugi.net
posted by たべつむぎ at 15:00| 日記